
冬越し…春から秋にかけて青々した葉を広げてくれていたパキポディウム達も気温の低下とともに少しづつ緑から黄色や赤に。そして茶色に変化し落葉を迎える。そうすることでパキポディウムは寒い時期に必要のない物を落とし、体力を温存するため休眠期に入る。
そして管理者を悩ませる冬越しシーズンへ突入していく。
冬越しとは?
通常、夏型の植物を冬を越させて春まで生きた状態で管理すること。
一概に冬越しといっても、落葉させ休眠状態になった株の冬越しもあるし、しっかり加温して休眠させずに冬を越させることもあるが、今回はしっかり休眠させて冬越しをすることについて記録していきたい。ここを見誤ると冷害、凍傷をしてしまい腐ったりしてしまう。
露天から室内に取り込みタイミング
地域、育成環境、その年の気温、品種と、明確に何月から?っというのは明言できない。ひとまず最低気温を意識して天気予報をチェックするが、天気予報のサイトによって若干違いがあるので2つぐらいの天気予報サイトを参考にするとよい。
そして品種によって耐えられる最低気温が違うので、それもある程度把握しておく必要がある。ざっと目安を・・・
グラキリス、マカイエンセ等のロスラーツム系、笑い系・・・5℃
カクチペス、サンデルシー、ビスピノーサム等・・・0℃(氷点下✖凍る)
ウィンゾリー、アンボンゲンセ、レアリー・・・10℃

上の表を見るとまだまだイケそう…。取り込もうと思っていたけどまだまだイケそうだ。が、ウィンゾリー、アンボン等の寒さに特に弱い品種は、たとえ葉が青々としていて紅葉してなくとも取り込んで10℃以上の環境にした方が良い。
温度が低くなっても葉がイキイキしているからウチの株達は丈夫なんだ!などと思っているといると大事な株を腐らせてしまうかもしれないので、屋外管理は諦めて春に新芽を拝める希望を胸に潔く室内に取り込んだ方が良いだろう。
微妙な季節の天の恵みについて
取り込むかどうしようか悩む季節の雨、風。暖かい季節の天の恵みなら迷わず存分に与えたいはずの雨と風。秋がグッと深まって最低気温が10℃近くになってくると雨も風もより冷たく感じる。肌で冷たいと感じるようなら、その日限定でも取り込んだ方が良い。
そして天気が良い日の早朝の放射冷却からの夜露。これがまた良くない。天気予報で昼間は抜群の良い天気になるからといって朝から露天に出すのも注意が必要。
冬越し準備①
秋のブーストを期待して少しでも太陽の光を浴びさせたいが、気温が下がってしまってはそうはいかない。ハウスがあって最低限の加温ができればベターだが、ハウスは無いしハウスがあったとしてもを冬の間中、加温できる財力も、権限もない。
我が家ではとりあえず室内に取り込むが昔の作りなので気密性が無く外気温と同じになるので(新しい住宅では加温せずに10℃を下回ることは無いとか…羨ましい)1部屋を植物専用にエアコンで加温し(10℃~15℃)養生する。光は少しだけ入る太陽光のみ。ガラス窓からの太陽光が沢山取り込めるならもちろん最高だが、夜間はガラス窓の近くは冷気で冷え込むため、ある程度離しておく必要がある。2重サッシでも注意が必要。
LED等の人工的な光を与えられるなら使った方が良いだろう。
ただ、ここでの管理目的は冷害、凍傷による腐りを防ぐためであり休眠してしまえば強光は必要ないし、ある程度の寒気にも当てたい(春になった時の花芽促進)ので温めすぎないような環境にしておく。
冬越し準備②
自作の簡易加温室を使用し、LED、パネルヒーターを使い25℃をキープさせ、冬の間も成長させる環境で育成させる。これは別の専用ページがあるので参考にしていただきたい。
冬の水やりについて
パキポディウムを育てている方なら大丈夫かと思うが、冬の水やりは春~秋に比べてさらにシビアになる。私は元々、土が乾いたら底から流れ出てくるまで潅水をすると良く言われることには疑問がある方だが、冬の間は流れ出てくるまで潅水などもってのほか。潅水する水は少し温める(水道水は冷え切っている場合があるため)冷たすぎない程度。実際に潅水する場合は差し水が出来る容器でチョロチョロと株に当てないように。鉢の内側をグルっとチョロチョロ。株には当てないように。株から伝って株の株の根元の根が密集している辺りに水が溜まると根腐れの原因になる、らしい。根元、根の密集している場所は水を吸う機能が根の先端に比べ無く、溜まった水が残留し続ける事が原因なのかと。そのため株から離れた周囲にチョロチョロが良い。なんなら底面からの吸水を少しだけ、ほんの少しだけやるのも良いかもしれない。そして水やりはなるべく暖かい昼間に行うと良い。
もうひとつ注意したいのは、冬でも株が萎んでくる。ここで気を付けたいのは急いで元に戻したいからと思い多めに潅水しないこと。葉が無い=吸水力が弱いので急激に膨らむことは無い。日をかけて少しづつ少しづつ元に戻してやる。
肝心な水やりのタイミングだが環境、株の個体差、品種にもよるので一概には言えないが、私がやっているのは、①見た目が萎んできたら ②指で摘まんでプニプニしてきたら③1ヶ月に1度の鉢の内側にチョロチョロ。根の先端、毛細根を乾燥させすぎると枯れてしまうので、鉢内にほんの少し湿気を与えるのが目的。
基本は慌てない焦らない。長い冬を過ごすうえで手持ちぶたさで水をやりたくなってしまうがグッと我慢して、日々の様子だけ観察することが一番良いと思う。
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