株の半数を失う結果に…
パキポディウムを育成しだして3度目の冬を迎えた。今まで冬越しで失った株はそんなに無かったから今回も甘く見ていた。毎年の事だが株の数も増え置き場の問題が出てくるが、寝かしちゃって放置すれば、あとは水やりだけ気を付ければ問題なく冬が超えられると、そんなに問題に考えてなかった。が、そんな甘い考えだった故に沢山の希少な株を犠牲にしてしまった。
ウィンゾリー、アンボンゲンセ、レアリー…パキポディウムの中でも希少な存在である品種が主に犠牲にした株達。合計で100株は腐らせてしまった。
アンボンゲンセ

2023に引きつづき、また凍傷と思われる被害を出してしまった。2024播種のアンボンゲンセ。昨年は成長点から腐りが入ったが今回は葉の付け根から黒く変色し広がっていった。
状況としては通常では葉が落葉する際は黄色もしくは赤く変色し、次第に枯れ茶色くカサカサに乾燥してから自然と落葉する。だが凍傷の前兆として葉が一気に黒くなりベチャっとした感じになる。要するに腐った感じになる。これを放置すると葉の付け根から腐りが幹に浸透し幹を腐らせるのではないかと推測する。
対応策としては、やはり寒さに当てすぎないことが一番だが置き場所問題で難しい。なので葉が紅葉せずに黒く変色してきたら葉の根元からカットして進行を防ぐ手段を検討。
腐り部分カット

とりあえず腐った部分をカットして延命を図ろうかなと。カッターでスパッと。1枚目は腐りがかなり進行していてOUT。2、3枚目はキレイな部分が残っているので乾燥させてトップジンを塗って処置。接木も考えたけどめぼしい株もないので。
ウィンゾリー

お気に入りの有望ウィンゾリー。ホントにショック。黒くなった部分は乾燥してそうなので少し様子を見ることに。(昨年もこの程度なら未処理で助かった経験あり)
お気に入りだったバンザイウィンゾリー

実生を初めた年に播種した1番の大きさを誇る株。一見パツンパツンの株だが下半分は腐っていてブヨブヨ。

カチカチの上部も中は腐りが進行している

先端へは腐りが進行して無さそうだったので、アンボンと接木を試みるが失敗
先端から凍傷ウィンゾリー
先端が黒くなりトゲが落ちたり柔らかくなったりしてくる。特に落葉時に葉が枯れる…というよりは黒く柔らかく腐った感じになり葉元から幹に黒い腐りが移っていくようなイメージ※実際は株が腐り、葉が黒く腐るのかもしれない。

凍傷の影響で先端が黒くなり下に広がって進行中

左)少しカットしたが黒い腐り進行中
中)腐り部が無くなるまでカット
右)トップジンを塗布し再起を願う ※1月後に腐る
基部下部からブヨブヨ
凍傷を避けるためLEDのみの加温室に移動していたが今度は下からブヨブヨになり腐ってきた。見た目ではわからないが触るとフヤけた水風船のように柔らかくなっていた。根腐れのような症状だが水は常温を少量湿らす程度に与えただけ。もしかしたら急に暖かい環境の変化が影響していたかもしれない。

2025.1.21 他の腐った株達
ただただショック...




パッと見はキレイな樹形だけど…ブヨブヨなんです( ノД`)シクシク…

小さな株達も…
レアリー

ブヨブヨレアリー。切り込みを入れるとブドウの皮のように表皮が剥がれる
後悔 反省 決意

この冬に中身を無くしてしまったプレステラ達の一部。
腐ってしまった株を見るのも辛かったが残ったプレステラを見るのも辛い。前年には数株を凍傷にて先端を切除したが腐らせることは無かった。これぐらいの寒さなら問題ないだろうと慢心、過信していたのが全ての過ちだった。
大切な植物を守るために最善を尽くせなかった事を後悔。
前年も同じことを思っていたはずなのに、同じ…いや、それ以上の被害を出してしまった。もっと早く取り込んでおけば、ちゃんと加温していれば、しっかり管理していれば…。
ただただ反省である。
他にも思うところはある。水やり。寒い時期の水やりは根に負担をかけてしまう。なので萎んできたら極力少量の加温室で温めた水を水差しで株にかからないようあげていた。株毎に見てあげていたので水のやりすぎとは思わないが、もしかしたら多すぎたのか?っと考え直してもいる。ただ処理した株の根には根腐れの症状は見られなかった。
あと、ロスラーツム系(グラキリス、マカイエンセ等)、デンシ系、ブレビ系はもっと過酷な、いい加減管理だったが落ちる株は少なかった。アンボン、ウィンゾリー、レアリーは特に気を付けないといけない。
※今回は大丈夫だった品種も含め来期は全体的に保温、加温をして前回は大丈夫だったのに…という後悔はしたくない。
この冬に失った株はたくさんあったが、得られた経験も少なからずあるので次の冬越しに活かさなければいけないので記録する。
・昼間は暖かくても夜間に5℃を下回るような環境では少しづつ株にダメージが蓄積されてしまう
・落葉し休眠したら寒さに強くなる、っというような勘違いを改められた。休眠しても5℃以下は危険
・葉が黒く柔らかくなってきたら危険信号。すぐにカットして葉の根元から株に腐りが移らないように処置して株を暖かい場所へ移動、養生する
・灌水は冷水を避ける。株が萎んでいようと一気にたくさんの水やりはNG。
書き出してみると当たり前のことだが、それが出来ていなかった。まさに怠慢。
かといって来季どうするべきか漠然としか考えつかないのだが…ハウスを手に入れたい。ハウスを手に入れたとしてもどう加温するのか?大した資金もなくコストも考えなくてはいけない。
とりあえず来期までに考えることにする。
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