植物を育てている方達から聞かれる腰水という言葉。
塊根植物を育て始める前にも多少の植物を育てており、多少の知識もあったので、最初に腰水の意味を聞いた時は植木鉢の底皿に水が溜まった状態で管理すること?え?根腐れするじゃん?
調べていくと種子を播種して小葉が出た後ぐらいに腰水を止め通常管理に戻すのがセオリーとのこと。
なるほど、幼苗の頃は水が特に必要なので鉢内を水でヒタヒタにしておくんだなっと。
その後、子葉が出た後は塊根植物らしく水を辛めにして管理すれば徒長を防ぎ太りやすくなると。
そんな感じの情報通りに塊根植物の実生1年目を過ごした。
そして塊根植物を実生し始めて3年が経過した。
様々なサイト等で塊根植物の育て方を事細かく説明してくれていて、最初は自分もそのまま真似してやっていたのだが、色々と試行錯誤したり、偶然良い結果が出たこともあったりで自分なりの植物の育て方を記録してみる。
まずは自分の中で幼苗期の成長に大きな影響を持つだろう腰水について
腰水について
一般的な腰水、底面吸水とは数日間水やりを出来ない時などに使う手法らしい。
ここで記述させてもらうのは上記の事ではなく、播種から子葉、本葉の出始めではなく数ヶ月以上を腰水で管理している事象について。
実生を始めて1年目はセオリー通り1、2ヶ月の腰水管理後に通常屋外管理だった。
しかし先人方のSNS等を勉強がてら見ていると腰水を続けると成長が早くなる?っという情報がチラホラ。そんな情報をあげてくれる方の大半は室内、LED管理。自分もLED等の設備を整えてた最中だったから同じような環境で試すことが出来ると挑戦した1年目の冬。その結果はというと加温してたけど電気代にビビッてあまり温度を上げていなかったせいか大した成果は得られなかった。
その時の腰水は水の量が多く鉢内は湿っているというより浸かっているような状況だった。
ヒザ水
1年目の冬にはあまり成果が表れなかった腰水管理だったが2年目の冬は少しやり方を変えてリトライ。
うちではプレステラかEG75のプラ鉢を使用しているが共にスリットが入っている。
今度は腰水の高さを浅くすることにした。理由は鉢の半分も水が浸かっていては鉢内の空気が滞ってしまうのではないか?それならばスリットの半分ぐらい腰水にして、スリットの上半分は空気の通り道、スリットの下半分は水に浸けておくことにした。
これが功をなしたのかは不明だが2年目冬から春に実生した苗はそれまでとは大きく違う成長を見せた。
腰水という呼称で腰というと、ずいぶん高い位置まで水を貯めるイメージだが上記の高さではヒザ程度の高さまでしか水を貯めていないので自分の中で分かりやすくヒザ水と勝手にいっている。
※ホントは足首ぐらいの高さだが呼びにくい アシクビミズ・・・
※ノーマルのプレステラには良いが深鉢を使用しての足首水では上部まで浸透しにくいため、発芽したての苗では根が張っていないので水が届かないかも…
ヒザ水のメリット
成長が早くなった?
まず成長が今までの腰水よりも早くなった気がする。考えられる理由は
・鉢の下部に空気を取り込められるので鉢内の空気が滞ることくを防いでくれる。
・貯めた水が少なく減りが分かりやすい。株が元気に吸い上げてるのがわかる。
・減りやすいので新鮮な水を供給できる。水の入れ替えをしないで済む。
管理が楽
・受けトレーに水を貯めるため、水やり頻度が少なくてすむ
・大き目のトレーに複数の鉢を入れておけば、まとめて管理できる
注意事項 デメリット
まとめて一つのトレーで管理する場合
トレー内の各鉢と水を共有するため細菌等の感染のリスク有
暑い温度、寒い温度の時
真夏の屋外で直射日光を受けてたら煮えてしまう
真冬の屋外では凍ってしまうかも
植物育成LEDが必須?
温度の変化が著しい屋外では長期間の腰水は止めた方が無難
空気が通りやすい粒状の用土も必須
スリットの無い鉢では意味がない…かな?
上記でも書いたが深鉢で浅い腰水では上部まで水が浸透しにくいので発芽したての幼苗の根まで水が届かないかも。だが根が水を求めて下へ下へ伸びてくれるかも、っとポジティブ思考もあり?
まとめ
腰水を長期間することによって植物に何かしらの影響が出る。
根の周辺に酸素が無い状況では根腐れしてしまうと思うのだけど
水耕栽培や発根管理などでは水の中で根が成長している。
じゃあ、なんで根腐れしてしまうんだろう。蒸れ?蒸れから発生するウイルス?
よくわからないけど、実際に腰水を長期間続ける方法で自分的には良い結果が出ている。
まず根を腰水によって育てる。やはり根が大事だと思う。
幼いうちに根を活発化させて、塊根、葉と連動してくれるはず。
自然界では起こりえない育成状況なので良いことなのか悪いことなのか。
ある意味自然ではなく無理やり成長させる方法なので、株が弱くなる、
暑さ寒さ病気に対する耐性が弱くなる等、賛否両論ある。
実際はどうなのかわからないが、鉢植えだって自然ではないし、
そもそも環境が違うし、なんなら屋外で真夏、真冬にもまぁまぁ耐えたし。
なにが言いたいかというと所詮ここは日本だからマダガスカルではない。
正解は植物がマダガスカル(原産地)で自然に育つこと。
ここでは正解以外の方法でしか育てられないから様々な方法、機器を使用して
植物がスクスクと育って、管理する側もそれを楽しめたら。
その中の一つの選択肢として。
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