2024.8.31
塊根植物の実生を始めて4年目
4回の夏、3回の冬を経験して塊根育成を少し分かってきたつもりでいた。
現地球や上手な方の実生株を実際に見てきて、いつか自分の手で作りたい!
そんな想いを打ち砕かれた2024夏。
同じような経験を今後しないために記録する。
徒長
ソレは幹の上部に新緑として現れたり、葉の異常な大きさもある。パキポディウムの樹皮には棘があり、棘の間隔が広がらないように詰まらせて成長させた方が見栄えが良い※個人的感想。しかし様々な要因により下の写真のように木質化した塊根部から青々した成長部が急激に成長し、ヒョロっと伸びてしまっている。
徒長の原因
植物の一般的な徒長の原因は、
・日照不足
・水やり過多
・肥料過多
・風が少ない、弱い
・高温障害
上記の一般的な徒長の原因と、うちの環境を検証してみる
日照不足
ベランダの植物棚は朝日から16:00ごろまで日光を遮るものが無く、8月は快晴が多かった。
【検証】7月に梅雨が明けてから快晴が続き火傷被害を心配するほどだったので日照不足は想定しがたい。
水やり過多
7月までは株の様子を見ながら水やりをしていたが、8月に入り猛暑が続いていたため、夕方以降に温度を下げるために毎日軽めに散水をしていた。特に若い株には多めに。後で記述するが、7月末に強い日差しで数株を日焼け、火傷させてしまったのでそれ以降は散水をほぼ毎日行っていた。
【検証】8月に入りほぼ毎日、涼をとるための軽い散水と、水切れを起こしている株には多めに水やりをしていた。やはり徒長の原因の一番に考えられるのは水やりの多さかと。しかし葉水より多少多い散水と、水切れの株のみ水やりで、基本的には水やり辛めの生育を念頭に入れている。が、それでも多すぎたのか…
肥料過多
自分の基本用土は日向土メインの赤玉3割、元肥(マグアンプ)牛糞少々。液肥は一切与えていなかった。
【検証】追肥もしていないし肥料が多くはなかった…と思う。
風通し
ベランダ管理のため風通しは良いはずだが、風が吹かなければ仕方がない。
【検証】風は管理できないので運頼みで、吹いていたか確証もないので何とも…。ただ全体的に弱かったと思う。
高温障害
パキポはアフリカの植物なので日本の夏ぐらい問題ないかと。そう思ってしまうが、日本の夏は現地よりも暑いらしい。しかも黒いプラ鉢は陽を受けて高温に。プラスチックの溶ける臭いもしてた。鉢内温度も想像を超えていたのかもしれない。
【検証】高温障害が起きる条件で、昼夜温度が高いままだといけないらしく、8月中旬まで熱帯夜が続いていたので夕方以降に散水をして温度を下げていた
今回2024徒長の原因まとめ
・「2024はノロノロ10号のせいで8月下旬はずっと曇りがちだった」
おそらくこの時期に激しく徒長させてしまった。とするとやはり日照不足だったのかと。しかし水やりは一切していない。雨は適度に降っていたが、それだけで徒長してしまうものかと。
・暑すぎる猛暑(日々35℃越え)の間はパキポの成長も止まると認識していた。そのため徒長を気にせずに涼を得るための散水していたが、実際は猛暑でも成長が止まることはなく徒長もするし太る可能性もあると。
徒長させないために
正直どうしたらよいかわからない。が、対策を考えなくては同じことを来年もしてしまう。なのでいくつか考えられる事を記録に残す。
遮光
昨年は徒長はここまで酷くなかった。で昨年は何をしていたかというと遮光をしていた。なので日焼けの心配がなかったし、水切れを起こす株も少なかったので水やりの頻度が少なかった。2024もやれば良かったのだが、他の生産者さんの株を見て憧れ、厳しく育てるという気持ちが強く出てしまった。あとめんどくさかった
水やり
念頭では水やりは辛めにする意識があったのだが、徒長という結果が出てしまっているので結局は甘かったということか。梅雨時期は仕舞う場所が無いので露天のままだったが徒長は見られなかった。梅雨が明けたら雨が降らない快晴猛暑日が続いたので夕方以降に涼をとるための軽い散水。水切れしている株には多めに水やりしていた…つもりだが周りの水切れをしていない株にも水が回っていた。それを防ぐために一鉢一鉢丁寧に水やりをしなければいけないのだろう。散水についても、思えば可愛さから少し多めに当てていた気がする。目的である涼をとる散水での、水の温度で下がる効果、気化熱で下がる効果を考えると、さほど量は必要ではなく表土が湿る程度以下で良かったのかとも思う。
肥料
昨年は遮光のおかげで水やり頻度が少なかったのだが、代わりに夏の暑さに耐えさせ秋の成長への準備としてハイポネックス微粉を水差しで適宜、適度に与えていた。そのおかげで上記に記載した微量要素の欠乏を防げていたのかもしれない。他に情報を探ると徒長にはカルシウム不足があるらしく、微粉にはカルシウムが多く含まれている。
窒素過多
窒素過多という症状が徒長の原因になることがあるらしい。窒素は元肥にも含まれているし牛糞にも雨にも含まれている。植物は暑くなり葉の蒸散が激しくなると水に溶けやすい窒素を多く取り込んでしまうとのこと。するとリン、カリ、他の微量要素カルシウム、マグネシウム等が体内に欠乏してしまい光合成でタンパク質を作れなくなっているがそれでも植物は成長するため、健全な成長に必要なアミノ酸が足りないまま弱く柔らかな幹を伸ばしてしまう。同じように葉も大きくなってしまうというもの。
思えば、昨年は厳しい夏を超えさせるためにハイポネックス微粉を適度に与えていた。もしかしたらカルシウム等、昨年は徒長の原因になりうる栄養素が足りていたのかもしれない。
※注 この根拠はネットで調べたモノなので信憑性には責任持てません
酢で光合成モドキ?
植物の徒長について調べていたらこんな記事が。上記の窒素過多等による光合成が上手くいかず正常な成長に必要な栄養素を体内で作ることが出来ない状況を酢酸で代用できるというもの。光合成産物のひとつ「グルコース」という炭水化物というものがあり、酢酸にはより吸収率の良いグルコースに似たタンパク質が含まれているとのこと。様々な悪環境(大雨、台風後の根が弱っている等)で根が水と窒素を多く吸い上げてしまうところを、酢酸のタンパク質を植物が吸収し光合成が出来なくても同じような効果を発揮できるらしい。
とすると光合成をしなくても光合成をした時と同じ栄養素を根から植物が吸収できるのなら、多少の日照不足をカバーできるのでは?それなら徒長も防げる可能性があるのでは?と思い実践してみることに。
そして調べていくと木酢液、竹酢液でも代用できるとか。木酢液には防虫効果、土壌改善効果もあるので、たまに使用していたが徒長防止効果もあるかもと、いつもより多めに散布したり、直接用土に流したりした。酸性なのでphは気になるとこだけど、それは後々。とりあえずどうなるか観察することにする。
※注 この根拠はネットで調べた結果なので信憑性には責任持てません
日焼け
水やりを辛めにしていたからか、梅雨明けの7月の日差しにより火傷した株達。この後、火傷被害を増やさないために厳しい猛暑の日の夕方は涼をとるために散水して、水切れの株や幼苗には多めに水やりしながら対処。おかげで酷い火傷は8月の強烈な日差しでも見られなかったが、そのせいか徒長してしまうという事態に。
平日は水やり時間もバラバラになったり常に様子を見ていることが出来ないし、やはり素人なので水やりのみで日焼け、徒長の調整など出来るはずもなく。とりあえず植物に様々な被害を与えないためには無難に遮光して無難に植育をしていかなければ自分には難しいと思い知った。
まとめ
様々な環境があるので一概には決められないが自分はどうするのが最善か?という結論は出た気がする。
それは梅雨が明けたら遮光をする。前年では調子良かったので今年もやれば良かったのに、と後悔が残るが遮光をせずに管理することは自分にはまだ難しかったということが分かったことが糧となったこと。
できることなら遮光をしないで「火傷をさせない」「水は辛め」を通したいが、向上心を保ち続けるための目標にする。ある程度、自然に株をゆだね、強い株を作り弱い株は淘汰される覚悟も必要かと。今はまだ一株★になれば落ち込んでしまうほど管理者が弱すぎる。
あとは良い情報があれば耳を傾け、自分の判断で精査し、考え、自己責任でチャレンジしていこうと思う。
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